前回のおさらい

前回の記事では、AI時代への期待と不安について書きました。

AIの進化は私の想像を遥かに超える速度で進み、技術者として、
そして個人事業主として大きな危機感を抱くようになりました。
しかし、私はAIを恐れて距離を置くのではなく、AIを使う側になることを選びました。

そのためには、実際にAIに触れ、自分の手で試行錯誤しながら学ぶ必要がある。

そう考えた私は、AIを使って何かを作ることを決意しました。

では、何を作るのか。

今回は、その題材選びについて振り返ってみたいと思います。

AIを学ぶなら、何かを作るのが効率が良さそうだった

AIを学ぶ方法はたくさんあります。

本を読む。
動画を見る。
セミナーを受講する。
実際の仕事で使ってみる。

どれも有効な方法だと思います。

ただ、長年技術者として仕事をしてきた経験から言うと、
最も理解が深まるのは、自分で手を動かして何かを作ることでした。

もちろん、知識を得るだけなら本や動画でも十分です。
しかし、実際に作り始めると、思い通りにいかないことが次々に出てきます。

その問題を調べ、考え、試し、修正する。

そうした経験を繰り返すことで、本当の意味で理解が深まっていく。
私はこれまでの経験から、そう感じていました。

だから今回も、AIについて学ぶのであれば、
何か一つ作ってみるのが近道だろうと考えました。

では何を作るのか

とはいえ、題材は何でも良いわけではありません。

単純に勉強になるだけのテーマでは、途中で飽きてしまう可能性があります。
また、せっかく時間を使うのであれば、
将来的に何らかの形で仕事や副業につながる可能性も持たせたいと思っていました。

前回の記事でも触れましたが、私はAI時代に対して大きな不安を抱いていました。
AIによって仕事を失ってしまう可能性をどうしても考えずにはいられませんでした。

だからこそ、この挑戦は単なる趣味の勉強ではなく、
将来に向けた投資でもありました。

AIを学びながら、自分自身の武器にもなり得る。
そんなテーマを探していました。

題材に求めた条件

題材を探す中で、私の中にはいくつか条件がありました。

継続できること

どれだけ勉強になるテーマでも、数週間で飽きてしまっては意味がありません。
継続的に興味を持てる題材であることは重要でした。

結果が分かりやすいこと

成功したのか失敗したのか。
改善したのかしていないのか。

そうした結果ができるだけ明確に分かる方が、
学習効率は高いと考えていました。

データが存在すること

AIや機械学習を活用する以上、データは欠かせません。
十分な量のデータが存在し、検証できることも重要な条件でした。

Pythonをちゃんと使えること

当時の私は、Pythonに全く触れたことがなかったわけではありません。
しかし、本格的に使った経験はありませんでした。

AIやデータ分析の世界では、Pythonは事実上の標準言語だと感じていました。
仕事でもPythonを見聞きすることが多く、幅を広げておきたかった。

せっかくなら、この機会にPythonも実践的に学びたいと考えていました。

競馬という題材

そうして考えた結果、私が選んだのが競馬でした。

もちろん、競馬が好きだったという理由もあります。
しかし、それ以上に、AIを学ぶ題材として非常に優秀に見えました。

競馬には膨大な過去データがあります。
毎週のように新しいレースが行われます。
そして結果も明確です。

予測した内容と実際の結果を比べれば、
改善したのか、うまくいかなかったのかを確認できます。

また、人間でも簡単には予測できない複雑さがあります。
馬の能力だけではなく、騎手、コース、天候、馬場状態など、
多くの要素が絡み合います。

生成AIを開発支援に使いながら、
機械学習の予測モデルを組み立てていく題材としても面白そうでした。

ここでいう生成AIの役割は、データ取得や前処理、実装上の相談、調査といった開発支援です。
競馬の予測そのものは別に作る機械学習モデルが行い、実際の馬券に関する判断は人間が行います。

生成AIへ質問し、返ってきた内容を自分で確認しながら進める。
データを扱い、コードを動かし、結果を見て修正する。

その過程自体が、AIを学ぶことにつながるように感じました。

まずは検証しやすい形から始める

競馬を題材にすると決めても、
何を予測し、何を評価するかによって方向性は大きく変わります。

私の目的は、競馬で一攫千金を狙うことではなく、
AIを学びながら、長く試行錯誤を続けることでした。

そのため、最初から複雑な仕組みを作るのではなく、
予測と結果を繰り返し比べられる形から始めたいと考えました。

どのような予測をするのか。
どこで失敗するのか。
何を変えると結果がどう変わるのか。

そうした試行錯誤を重ねられることを重視しました。

収益性についても将来的な評価軸として意識していましたが、
最初の段階で必要だったのは、
まずデータを扱い、予測モデルを作り、結果を検証できるところまで進めることでした。

この頃からChatGPTは、
考えるべき項目を整理したり、技術的な進め方を相談したりする
開発支援として使い始めていました。

次回へ

こうして私は、AIを学ぶための題材として競馬AIを選びました。
しかし、本当の挑戦はここから始まります。

実際に開発を始めてみると、
予想していたことも、予想していなかったことも、数多く起きました。

生成AIを開発支援に使いながら長期間開発を続ける中で、
新しい課題も見えてきました。

次回は、実際にどのように競馬AI開発を始めたのか、
その最初の試行錯誤について振り返ってみたいと思います。